ソーシャルメディア時代のリスクマネジメント

ソーシャルメディア関連を専門とするリスクコンサルタントが、企業のリスクマネジメントについて書いています。

現象としての「拡散」

以前の記事で、人はなぜ「拡散」をさせるのかについて、心理的動機の面から掘り下げるお話をしました。 ただ、その記事においては、「なぜ」については掘り下げましたが、「どのように」についてはほとんど触れていません。 今回は、その「どのように」につ…

「不特定多数を想定したコミュニケーションのスキルが不足している」ということ

前回は、企業がネット炎上する場合の、企業側に起因する真の原因として以下の3パターンのうちの2つ目についてお話ししました。 都合の悪いことを誤魔化したり隠蔽できると思っている。 昭和的道徳観からアップデートできていない。 不特定多数を想定したコ…

「昭和的道徳観からアップデートできていない」ということ

前回は、企業がネット炎上する場合の、企業側に起因する真の原因として以下の3パターンを挙げ、その1つ目についてお話をしました。 都合の悪いことを誤魔化したり隠蔽できると思っている。 昭和的道徳観からアップデートできていない。 不特定多数を想定し…

企業の体質の結果生じてしまうネット炎上

前回は、ネット炎上の対象を 「有名人・芸能人型」 「メディア型」 「一般人・企業型」 の3タイプに分けた際の、それぞれのネット炎上の違いを具体的に掘り下げていきました。 その中で、企業が対象となるネット炎上が発生してしまう真の原因として、以下の…

炎上しやすいネタとは

前回は、炎上の対象を 「有名人・芸能人型」 「メディア型」 「一般人・企業型」 の3つに分け、「一般人・企業型」と他の2つとでは炎上傾向が異なることから、企業は「一般人・企業型」の炎上に気をつけていれば良い、というお話をしました。 今回は、前回…

ネット炎上は、対象によって特性が異なる

企業のネット炎上を考えた時、例えば、ダレノガレ明美さんが一眼レフのカメラを買っただけで発生した炎上(http://news.livedoor.com/article/detail/14183078/)などは、企業の炎上対策を考える上ではほぼ無益な情報です。 企業の炎上パターンと、このダレ…

ネット炎上における拡散の仕組み③ 「直感」と「ロジック」の具体例

前回は、なぜネット炎上において、人はわざわざ「拡散」をするのか、ということについてお話ししました。ただ、前回は抽象的な話が中心でしたので、実際にどういう状況なのかをイメージしにくかった方もいらっしゃるかもしれません。 そこで今回は、具体的な…

ネット炎上における拡散の仕組み② 「拡散」における、直感とロジックについて

前回は、ネット炎上に至る「拡散」においては、直感に訴えかける要素と、「一理ある」と思わせるような頭の良さげな内容との2つが必要だ、ということを述べました。 今回は、その「直感」ということについて掘り下げていき、また、同時に、「一理ある」と思…

ネット炎上における拡散の仕組み① 「拡散」はネットユーザーのリアクションの積み重ねである

「ネット炎上」とは、「多くの人」がソーシャルメディアにおいて、特定の人や企業・団体の言動に対して批判・非難の声を上げている状態のことを指します。10人や100人といった程度のネットユーザーが話題にしたからといって、それは「ネット炎上」とは呼びま…

下ネタは、下ネタだから炎上するのか

普段、広告関係者(広告代理店の方々や企業の宣伝・広告担当の方々)とお話をしている中での印象として、炎上狙いのプロモーションでもない限り「下ネタ」はプロモーションにおいてタブーである、ということが共通認識になりつつあるように感じます。 今回は…

ステレオタイプという罠

企業がプロモーションやマーケティングを行う場合、年齢、性別、職業、収入、居住地、家族構成などなど、様々な属性で区切って消費者のペルソナを設定します。 その上で、商品企画におけるマーケティングリサーチであれば、ペルソナに合致する人に対して各種…

レピュテーションリスクには、ランクがある

本ブログは、企業にとってのソーシャルメディアにおけるリスクについて掘り下げて考察することをテーマにしています。 このため、企業のネット炎上も重要な話題の1つなのですが、ひとくちに企業のネット炎上と言っても原因はいろいろあります。 今回は、理…

【ソーシャルリスクマネジメント体制を作れ!】その4 従業員の不満に着目せよ

「ソーシャルリスクマネジメント体制を作れ!」も第4回となりました。 前回は、顧客の声に耳を傾けて事業を改善する、ということを述べましたが、今回は、ソーシャルメディア上での「従業員の声」に耳を傾けるということをお話ししたいと思います。 なお、…

タニタカフェの公式発表に対する残念な誤解と、その原因について

経緯 体重計のメーカーとして有名なタニタの子会社が運営するタニタカフェ長岡店において開催されているイベントに関連し、トラブルが発生しました。 端的にまとめると、店舗スタッフがイベントグッズを不正に入手し、それをフリマサイトで転売していたこと…

「炎上」と「論議」の違い

全部「炎上」でくくってしまっていいのか 「ネット炎上」とは、対象となる人や企業・団体による言動に対して、ネット上で多数の批判や非難、罵倒などが寄せられている状態のことを指します。 その際、その批判や非難、罵倒の陰にある、対象に対する肯定的な…

「バイトテロ」の話題が流行っているので

「バイトテロ」の復活 飲食店やコンビニエンスストア、飲食品宅配店などのアルバイトスタッフが、業務中に自分たちの悪質な「おふざけ」の様子を写真や動画におさめ、それをソーシャルメディアにアップロードすることが発端となり、ネット炎上に至るケースが…

ユーモアと広告と炎上

近年、ユーモアのつもりが消費者の怒りを買って炎上する、というプロモーションが散見されます。 つい先日も、ロフトのプロモーションがこのパターンで炎上し、動画の配信を停止しました。 ロフトのバレンタイン広告「女の子って楽しい!」にTwitterユーザー…

【ソーシャルリスクマネジメント体制を作れ!】その3 「ネット炎上に備える体制」で一番大切なこと

前回の【ソーシャルリスクマネジメント体制を作れ!】では、消費者の不満や憤りに対しては、その場しのぎの誤魔化しではなく、真摯に向き合うことが大切だと述べました。 では、「真摯に向き合う」とはどういうことでしょうか。 例えば、お客様センターに寄…

「デマ」リスクに対する備え

ネット炎上では時に、ネットユーザーの勘違いや意図的なデマなどで、無関係な第三者にまで火の手が押し寄せることがあります。 たとえば、ある事件の容疑者の勤め先と誤認されてしまった企業が、その容疑者と全く無関係であるにもかかわらず、ネット上で誹謗…

新卒向けのソーシャルメディア研修、準備はお済みですか?

各企業の人事担当の皆様は、ちょうど今、4月入社の新卒社員向けの研修計画立案の大詰めを迎えていらっしゃるのではないでしょうか。 新卒社員に対する入社研修は、学生から社会人へ頭を切り替えるための研修でもありますので、それぞれの企業が工夫を凝らし…

【ソーシャルリスクマネジメント体制を作れ!】その2 「ネット炎上に備える体制」は、「ネット炎上を起こさない体制」であるという話

前回は、「炎上した時だけ慌ててコンサルを呼んできても意味ないよ」というお話をしました。 大事なのは、「炎上に備える体制」を作ることなのだと。 ですが、このように言うと 「起こるか起こらないかも分からない、むしろ起こらない可能性の方が高いネット…

【ソーシャルリスクマネジメント体制を作れ!】その1 なぜネット炎上に備えなければならないのか

様々な企業様から、「ネットで自社が炎上したときに、直ぐにプロに相談できる状態を作りたい」というご相談をいただくことがあります。 つまり、万が一炎上した場合に、鎮火させるのを手伝って欲しいというご依頼です。 残念ながら、私はそのようなご依頼は…

【書籍紹介】髙井・岡芦法律事務所編『SNSをめぐるトラブルと労務管理』

もし従業員がソーシャルメディア上で問題を起こしたら 企業が対象となるネット炎上には、いくつかの類型があります。 その一つが、ソーシャルメディアにおいて従業員が私的なアカウントでおこなった投稿が発端となるケースです。 例えば、 小売店舗や飲食店…

悪名は無名に勝るのか? 炎上マーケティングの功罪

芸能人や政治家は、ヒール役にも需要があったり、功罪の功の部分に注目して熱心に支持してくれる人が一部でもいれば活動を維持できる面があるので、炎上マーケティングでの効果も一定得られる可能性が高いように思います。 その最たるケースがアメリカのトラ…

ネット炎上には、削除依頼ではなくアカウンタビリティ(説明責任)で

「某掲示板に自社の内部情報が書かれている」「自社への謂れのない中傷がTwitterに書かれている」という状況になると、その企業の意向としては、当該投稿を削除したいと考えるのが自然です。 実際に、「削除したいのだけれど、どうしたらいいだろうか」「削…

広告審査の落とし穴

ネット炎上の昨今の傾向として、企業や団体のプロモーションが対象となるケースが少なくない割合を占めています。 その多くは「違法ではないけれど不適切である」という主旨の指摘がネット上に多数寄せられるなどして謝罪に至るわけですが、その謝罪文にはほ…

ジェンダーロールとネット炎上

ジェンダー関連のネット炎上として、杉田水脈衆議院議員が『新潮45』に寄稿した『「LGBT」支援の度が過ぎる』の話題が記憶に新しいところですが、LGBTQ関連を原因としたネット炎上は政治家の発言が発端となるケースが非常に多い一方、企業活動に関連するもの…

西武・そごう「わたしは、私」に関する議論

2019年正月、西武・そごうの広告が議論を呼んでいます。 西武・そごう「わたしは、私。」 www.sogo-seibu.jp 最もポリティカルコレクトネスの観点からロジカルに説得力のある問題提起は、概ね以下のような論調ではないかと思います。 ーーーーー 女性である…

ネット炎上は、特殊な人たちによる「いいがかり」なのか

ネット炎上に参加するのはごく一部の人たち? ネット炎上の参加者はネット利用者の中でも極々一部の人たちである、ということは、ネット炎上を研究している山口真一先生によって一貫して指摘されていることです。 ただ、その「一部の人」がどのような人々で…

なぜ「リスクヘッジ」ではなく「リスクマネジメント」が必要なのか

企業にとって、すでにソーシャルメディアは無視できない存在になっています。 多くの企業がソーシャルメディアの公式アカウントを開設し、広報やマーケティングに活かしています。 他方、ソーシャルメディアで広まるネガティブな評判や、さらにそれが大きな…