ソーシャルメディア時代のリスクマネジメント

ソーシャルメディア関連を専門とするリスクコンサルタントが、企業のリスクマネジメントについて書いています。

阪急電鉄×パラドックス社の中吊りに見る、「共感」と「反感」の構図

阪神電鉄がパラドックス社とコラボレーションして企画した車内広告(中吊り)に対する評判が非常に悪く、いわゆるネット炎上に至りました。 阪急電鉄、「はたらく言葉」車両ジャック企画中止へ 批判受け「思いが至らなかった」 : J-CASTニュース これ「働か…

【追記あり】カネカの炎上に見る、レピュテーションマネジメントの要諦

化学系メーカーとして有名なカネカが、人事労務問題で炎上しています。 夫の育休直後に転勤命令「信じられない」妻が告発 カネカ「コメントは差し控えたい」(BuzzFeed) カネカ、育休(合法)行使の男性社員に遠距離転勤(合法)行使でやり返したと配偶者発の炎…

広告クリエーターのお悩み

東洋経済オンラインに、非常に興味深い記事が掲載されていました。 toyokeizai.net これを拝読し、広告制作側の悩みに深く首肯するとともに、広告クリエイティブを原因としたネット炎上の予防施策について、制作サイドにまだまだ認識が広まっていないのだな…

ネットリンチの実像と対策

前回は、ネットリンチとネット炎上の違いについてお話をしました。 ネットリンチは、それを行う人の主観では「制裁」であり、人をネットリンチに走らせるのは処罰感情を暴走させる情動のバグである、と結論しました。 なぜ「バグ」という表現を使ったのか。…

「ネット炎上」と「ネットリンチ」は同じ物?

前回は、非難・批判の限度を超えた攻撃的な書き込みがネット上にはしばしば存在することを、最後に述べました。 今回はこの「限度を超えた攻撃的な書き込み」について理解を深め、「ネット炎上」と一緒くたに論じられがちなこのような行為についての正しい対…

「ネット炎上」において「拡散」は必然なのか

前回は、ネット炎上における「拡散」がどのような経路で発生するのかについてお話をしました。 今回は、「炎上」と言われる現象においては「拡散」を伴うものと伴わないものがあり、その違いはどうして生じるのかについてお話していきたいと思います。 この…

イベント告知:日本広告学会 クリエーティブフォーラム2019

直前の告知となってしまいましたが、5月11日(土)に日本広告学会のクリエーティブフォーラム2019にて、WOMマーケティング協議会メソッド委員会名義でポスター発表を行います。 日本広告学会 クリエーティブフォーラム2019 開催概要 当日は私も発表者として…

現象としての「拡散」

以前の記事で、人はなぜ「拡散」をさせるのかについて、心理的動機の面から掘り下げるお話をしました。 ただ、その記事においては、「なぜ」については掘り下げましたが、「どのように」についてはほとんど触れていません。 今回は、その「どのように」につ…

「不特定多数を想定したコミュニケーションのスキルが不足している」ということ

前回は、企業がネット炎上する場合の、企業側に起因する真の原因として以下の3パターンのうちの2つ目についてお話ししました。 都合の悪いことを誤魔化したり隠蔽できると思っている。 昭和的道徳観からアップデートできていない。 不特定多数を想定したコ…

「昭和的道徳観からアップデートできていない」ということ

前回は、企業がネット炎上する場合の、企業側に起因する真の原因として以下の3パターンを挙げ、その1つ目についてお話をしました。 都合の悪いことを誤魔化したり隠蔽できると思っている。 昭和的道徳観からアップデートできていない。 不特定多数を想定し…

企業の体質の結果生じてしまうネット炎上

前回は、ネット炎上の対象を 「有名人・芸能人型」 「メディア型」 「一般人・企業型」 の3タイプに分けた際の、それぞれのネット炎上の違いを具体的に掘り下げていきました。 その中で、企業が対象となるネット炎上が発生してしまう真の原因として、以下の…

炎上しやすいネタとは

前回は、炎上の対象を 「有名人・芸能人型」 「メディア型」 「一般人・企業型」 の3つに分け、「一般人・企業型」と他の2つとでは炎上傾向が異なることから、企業は「一般人・企業型」の炎上に気をつけていれば良い、というお話をしました。 今回は、前回…

ネット炎上は、対象によって特性が異なる

企業のネット炎上を考えた時、例えば、ダレノガレ明美さんが一眼レフのカメラを買っただけで発生した炎上(http://news.livedoor.com/article/detail/14183078/)などは、企業の炎上対策を考える上ではほぼ無益な情報です。 企業の炎上パターンと、このダレ…

ネット炎上における拡散の仕組み③ 「直感」と「ロジック」の具体例

前回は、なぜネット炎上において、人はわざわざ「拡散」をするのか、ということについてお話ししました。ただ、前回は抽象的な話が中心でしたので、実際にどういう状況なのかをイメージしにくかった方もいらっしゃるかもしれません。 そこで今回は、具体的な…

ネット炎上における拡散の仕組み② 「拡散」における、直感とロジックについて

前回は、ネット炎上に至る「拡散」においては、直感に訴えかける要素と、「一理ある」と思わせるような頭の良さげな内容との2つが必要だ、ということを述べました。 今回は、その「直感」ということについて掘り下げていき、また、同時に、「一理ある」と思…

ネット炎上における拡散の仕組み① 「拡散」はネットユーザーのリアクションの積み重ねである

「ネット炎上」とは、「多くの人」がソーシャルメディアにおいて、特定の人や企業・団体の言動に対して批判・非難の声を上げている状態のことを指します。10人や100人といった程度のネットユーザーが話題にしたからといって、それは「ネット炎上」とは呼びま…

下ネタは、下ネタだから炎上するのか

普段、広告関係者(広告代理店の方々や企業の宣伝・広告担当の方々)とお話をしている中での印象として、炎上狙いのプロモーションでもない限り「下ネタ」はプロモーションにおいてタブーである、ということが共通認識になりつつあるように感じます。 今回は…

ステレオタイプという罠

企業がプロモーションやマーケティングを行う場合、年齢、性別、職業、収入、居住地、家族構成などなど、様々な属性で区切って消費者のペルソナを設定します。 その上で、商品企画におけるマーケティングリサーチであれば、ペルソナに合致する人に対して各種…

レピュテーションリスクには、ランクがある

本ブログは、企業にとってのソーシャルメディアにおけるリスクについて掘り下げて考察することをテーマにしています。 このため、企業のネット炎上も重要な話題の1つなのですが、ひとくちに企業のネット炎上と言っても原因はいろいろあります。 今回は、理…

【ソーシャルリスクマネジメント体制を作れ!】その4 従業員の不満に着目せよ

「ソーシャルリスクマネジメント体制を作れ!」も第4回となりました。 前回は、顧客の声に耳を傾けて事業を改善する、ということを述べましたが、今回は、ソーシャルメディア上での「従業員の声」に耳を傾けるということをお話ししたいと思います。 なお、…

タニタカフェの公式発表に対する残念な誤解と、その原因について

経緯 体重計のメーカーとして有名なタニタの子会社が運営するタニタカフェ長岡店において開催されているイベントに関連し、トラブルが発生しました。 端的にまとめると、店舗スタッフがイベントグッズを不正に入手し、それをフリマサイトで転売していたこと…

「炎上」と「論議」の違い

全部「炎上」でくくってしまっていいのか 「ネット炎上」とは、対象となる人や企業・団体による言動に対して、ネット上で多数の批判や非難、罵倒などが寄せられている状態のことを指します。 その際、その批判や非難、罵倒の陰にある、対象に対する肯定的な…

「バイトテロ」の話題が流行っているので

「バイトテロ」の復活 飲食店やコンビニエンスストア、飲食品宅配店などのアルバイトスタッフが、業務中に自分たちの悪質な「おふざけ」の様子を写真や動画におさめ、それをソーシャルメディアにアップロードすることが発端となり、ネット炎上に至るケースが…

ユーモアと広告と炎上

近年、ユーモアのつもりが消費者の怒りを買って炎上する、というプロモーションが散見されます。 つい先日も、ロフトのプロモーションがこのパターンで炎上し、動画の配信を停止しました。 ロフトのバレンタイン広告「女の子って楽しい!」にTwitterユーザー…

【ソーシャルリスクマネジメント体制を作れ!】その3 「ネット炎上に備える体制」で一番大切なこと

前回の【ソーシャルリスクマネジメント体制を作れ!】では、消費者の不満や憤りに対しては、その場しのぎの誤魔化しではなく、真摯に向き合うことが大切だと述べました。 では、「真摯に向き合う」とはどういうことでしょうか。 例えば、お客様センターに寄…

「デマ」リスクに対する備え

ネット炎上では時に、ネットユーザーの勘違いや意図的なデマなどで、無関係な第三者にまで火の手が押し寄せることがあります。 たとえば、ある事件の容疑者の勤め先と誤認されてしまった企業が、その容疑者と全く無関係であるにもかかわらず、ネット上で誹謗…

新卒向けのソーシャルメディア研修、準備はお済みですか?

各企業の人事担当の皆様は、ちょうど今、4月入社の新卒社員向けの研修計画立案の大詰めを迎えていらっしゃるのではないでしょうか。 新卒社員に対する入社研修は、学生から社会人へ頭を切り替えるための研修でもありますので、それぞれの企業が工夫を凝らし…

【ソーシャルリスクマネジメント体制を作れ!】その2 「ネット炎上に備える体制」は、「ネット炎上を起こさない体制」であるという話

前回は、「炎上した時だけ慌ててコンサルを呼んできても意味ないよ」というお話をしました。 大事なのは、「炎上に備える体制」を作ることなのだと。 ですが、このように言うと 「起こるか起こらないかも分からない、むしろ起こらない可能性の方が高いネット…

【ソーシャルリスクマネジメント体制を作れ!】その1 なぜネット炎上に備えなければならないのか

様々な企業様から、「ネットで自社が炎上したときに、直ぐにプロに相談できる状態を作りたい」というご相談をいただくことがあります。 つまり、万が一炎上した場合に、鎮火させるのを手伝って欲しいというご依頼です。 残念ながら、私はそのようなご依頼は…

【書籍紹介】髙井・岡芦法律事務所編『SNSをめぐるトラブルと労務管理』

もし従業員がソーシャルメディア上で問題を起こしたら 企業が対象となるネット炎上には、いくつかの類型があります。 その一つが、ソーシャルメディアにおいて従業員が私的なアカウントでおこなった投稿が発端となるケースです。 例えば、 小売店舗や飲食店…