ソーシャルメディア時代のリスクマネジメント

ソーシャルメディア関連を専門とするリスクコンサルタントが、企業のリスクマネジメントについて書いています。

なぜ「リスクヘッジ」ではなく「リスクマネジメント」が必要なのか

企業にとって、すでにソーシャルメディアは無視できない存在になっています。

多くの企業がソーシャルメディアの公式アカウントを開設し、広報やマーケティングに活かしています。

 

他方、ソーシャルメディアで広まるネガティブな評判や、さらにそれが大きなうねりとなって企業にダメージを与えるネット炎上などは、企業にとってリスクとなります。

 

リスクがあれば、それを避けたいと考えるのが組織の心理です。

が、リスクは「避ける」ことを第一優先とするのが最良の選択なのでしょうか。

 

たとえば、ソーシャルメディアの公式アカウントの発言が原因となってネット炎上に至るケースが度々発生しますが、そのリスクをゼロにしたいならば、公式アカウントを開設しないのが一番確実です。公式アカウントを開設している限り、リスクはゼロにはできません。

ですが、リスクをゼロにすることを優先して、公式アカウントを運用することから得られるメリットもゼロにしてしまうのが正しい経営判断と言えるのでしょうか。

 

リスクをゼロにしようとすると、前向きな施策の手足を必要以上に縛ってしまうことになってしまいます。

本来は、リスクの程度(トラブルが発生する可能性や、実際に発生した場合の深刻さ)などを評価し、許容可能なレベルまでそのリスクを低減させるなどして、前向きな経営施策の障壁とならないように対処することが重要です。

 

このような意味で、リスクに対してまず行うべきはリスク評価であり、その上で必要であれば「ヘッジ」を行う、という姿勢が必要です。

この一連の取り組みがリスクマネジメントです。

つまり、リスクヘッジは、リスクマネジメントの中のごく一部なので、ヘッジすることばかりに気をとられると部分最適に陥ってしまいます。

 

というわけで、本ブログでは、「リスクヘッジ」はあくまで手段の1つであって、最も重要なのは「リスクマネジメント」であるという前提でお話をしていきます。