ソーシャルメディア時代のリスクマネジメント

ソーシャルメディア関連を専門とするリスクコンサルタントが、企業のリスクマネジメントについて書いています。

新卒向けのソーシャルメディア研修、準備はお済みですか?

各企業の人事担当の皆様は、ちょうど今、4月入社の新卒社員向けの研修計画立案の大詰めを迎えていらっしゃるのではないでしょうか。

 

新卒社員に対する入社研修は、学生から社会人へ頭を切り替えるための研修でもありますので、それぞれの企業が工夫を凝らして取り組んでいる重要な研修です。新卒採用をしている企業で、新卒研修を「どうでもいいもの」と考えている企業は、おそらく存在しないことと思います。

 

そのため、新卒研修には各社のカラーが出やすいものですし、「他の会社では知らんが、うちの会社にとってはこれが重要なんだ」というこだわりもあることでしょう。

 

ソーシャルメディアリテラシー研修は必須?

新卒研修のメニューに、ソーシャルメディアを利用する際に気をつけなければならないことを教える「ソーシャルメディアリテラシー研修」を含める企業が多くなってきています。

 

2011年から2013年にかけて、従業員のプライベートなSNSアカウントでの投稿が原因となってネット炎上が発生するケースが後を絶ちませんでした。

このため、各企業では従業員向けにソーシャルメディアリテラシー研修を行う企業が増え始め、一定規模以上の企業においては、そういった研修を全く行ったことが無いという企業が少数派になっていると思います。

 

ソーシャルメディアリテラシー研修での最も重要なポイントは

「プライベートなSNS利用のことまで会社にとやかく言われなければならないのか」

という従業員の拒否感に対して、ちゃんと応えることです。

 

もし、

「オマエら社員なんだから、会社の言うことに逆らうな」

などという指導をしても、全く研修効果は上がりません。おそらく面従腹背を招くだけでしょう。

 

面従腹背であれば、当然、ソーシャルメディア上でのトラブルが発生するリスクは軽減できません。

ひとたび従業員がソーシャルメディアで炎上すれば、「会社はどんな教育してるんだ」と就業先である企業に累が及ぶのは避けられないので、大切なのは研修を行ったというアリバイ作りではなく、ちゃんと理解が定着するように研修することです。

 

ソーシャルメディアリテラシー研修を実施するにあたっての悩み

現在のように、ソーシャルメディアが社会のインフラと化している状況で、企業としてソーシャルメディアリテラシー研修を行わないリスクは、決して軽くはありません。

とはいえ、ひとくちにソーシャルメディアリテラシー研修と言っても、何をどう研修するべきなのか。

すでに研修を実施している企業にとっても、頭の痛いところではないでしょうか。

 

まず、内製で行うのか、外部に依頼するのか。

外部に依頼するとすれば、Eラーニングのようなお手軽なものから、講師を派遣するようなサービスに依頼をするものまで、どのような形態を選択すればいいのか。

外部に依頼するとなると、通り一遍な内容になってしまい、学習効果があまり期待できないのではないか。

自社の実態に即した研修を行いたいけれど、外部の講師ではそこまで汲み取った研修をするのは難しいのではないか。

 

そういう問題点が気がかりな場合、研修を内製化することになるわけですが、それはそれで、限られた人員で研修を設計したり実施したりするのは負担が生じます。

その上、

 

  • 研修効果は上がっているのか。
  • 正しい内容を伝えられているのだろうか。
  • 漏れや偏りは無いか。
  • 内容が古いのではないか。

など、様々な不安が生じる場合も多いでしょう。

 

企業人としてのソーシャルメディアリテラシーには3段階ある

ソーシャルメディアリテラシー研修を行うに際して、そもそもソーシャルメディアリテラシーとは何なのかを整理する必要があります。

それを整理しないと、トピックを並べるだけの研修となってしまい、研修効果が小さくなってしまいます。

 

企業の本音を端的に言えば、

 

  • 会社にとって都合の悪いことは書くな
  • 会社の売上や利益に貢献するならドシドシやれ

という2点に集約されるのではないかと思いますが、その際、経営サイドにとって優先順位が高いのは、売上や利益につながるソーシャルメディアリテラシーではないかと思います。

が、そのような、攻めのソーシャルメディア利用をする場合に、決しておろそかにしてはいけないのが、「何をやってはいけないのか」に関する確固たる理解です。

その理解を怠ったがために、人気を博しつつも最終的に大炎上に至り、積み上げたブランド資産を全部失ってしまった事例が存在します。

 

【どうしてこうなった?】侵略戦争で終了のまんべくん、人気絶頂の炎上期から近況まで思った事をまとめてみた。

 

このような破綻を避けるためには、「攻め」を理解する前提として、どこまで攻めてもいいのかの「守り」を理解しなければなりません。

それを図式化すると以下のような3段構成になります。

 

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「社会人としてNGなこと」は、どの企業においても共通です。企業でなく、社会生活を営む人でれば全ての人にとって共通で必要なことなので、Eラーニングのような定型化された研修でも網羅されている範囲です。

 

その上の「自社の就業規則や事業モデルに照らしてNGなこと」は、各社での違いが生じやすいところですし、この部分は特に入社直後の新卒社員にとっては最もイメージしにくい部分だと思います。このため、企業として所期する本来守らなければいけないことと、従業員が認識している「守らなければいけないこと」との間にギャップが生じやすく、思わぬ事故につながったりします。配属前の新卒社員にソーシャルメディアリテラシー研修を行うならば、この部分にこそ最も力を注ぐべきでしょう。

 

3段目にあるのが、先に述べた「攻め」に当たる「自社の事業にプラスになる利用の仕方」です。

これは、リスクマネジメントではなく、プロモーションやマーケティングの領域になります。

これは、各事業特性を踏まえて考えなければならないものなので、配属後に各事業の課題点と突き合わせて学ぶべきことと思います。

 

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上記の3段階のうちの下2つ、

 

  • 社会人としてNGなこと
  • 自社の就業規則や事業モデルに照らしてNGなこと

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